オーナーの平均年収700万
コンビニオーナーの平均年収は、700万円程度と言われています。
700万円は、魅力的な数字です。
本当に儲かるのか、検証したいと思います。
年収700万のカラクリ
同じ年収700万円でも、儲かっているか儲かっていないかは、内容により異なります。
年収700万円には、以下のような一定のカラクリがあります。
・実質年収350万円
・時給換算で最賃以下
・安定性が分からない
実質年収350万円
「実質年収350万円」のカラクリがあります。
夫婦2人で運用している場合、1人あたり年収は350万円の場合があります。
時給換算で最賃以下
「時給換算で最賃以下」のカラクリがあります。
コンビニオーナーは、長時間労働になりがちです。
コンビニオーナーの年間休暇日数は、21.3日と言う調査結果があります。
1ヶ月あたりでは、1.8日の休暇日数になります。
(公取委 コンビニ実態調査より 2020年)
安定しているかどうか
「安定性が分からない」カラクリがあります。
安定性は重要です。
5年や10年の長期に渡り、年収700万円を維持できれば、安定していると言えるでしょう。
しかし、始めて1年や2年では、安定しているか分かりません。
競合が多く、年収に波がある場合は、安定しているとは言えないでしょう。
コンビニ経営の収入計算方法
コンビニオーナーの月収は、「1日の売上金額=月収」と言われています。
例えば、1日の売上が50万円なら、オーナー月収は50万円になります。
コンビニ1店舗の売上は、50万円~70万円程度と言われています。
コンビニオーナー月収の計算方法は、以下になります。
(収入)
1500万円 1ヶ月あたり 1日50万円で計算
(支出)
1050万円 商品仕入費用 70%で計算
247万円 本部へのロイヤリティ 粗利×55%で計算
150万円 店舗運営費(人件費、光熱費等) 売上の10%程度必要と言われています
1897万円
(オーナー月収)
53万円 オーナーへ残るお金
*ここから、税金と社会保険料が引かれます。
以下の契約内容などにより、金額が異なります。
・本部へ支払うロイヤリティの割合
・仕入れ原価率
・店舗の人件費等契約
3つのリスク
コンビニ経営には、以下のような3つのリスクが考えられます。
・長時間労働
・本部有利な契約内容
・損切りできない
リスク1:長時間労働
コンビニオーナーは長時間労働になりがちです。
長時間労働により、健康を害する場合があります。
リスク2:本部有利な契約内容
フランチャイズ契約は、本部有利な契約内容です。
本部有利と思える契約内容は、以下のような内容があります。
・仕入を自由にできない
・張り紙を自由にできない
・値引き販売ができない
・売上は本部に送金する
仕入れを自由にできない
普通の商売であれば、自分で仕入れを行います。
新しい仕入先を開拓するなど、利益率が高くなるように工夫します。
観光地であれば、お土産を売ったりすることもあります。
コンビニでは、そういった工夫ができない契約になっています。
売上は本部に送金する
オーナーが受け取る報酬は、サラリーマンのような仕組みになっています。
毎日の売上金は、本部へ送金します。
本部へ送金したあと、原価やロイヤリティが引かれます。
原価などの経費が引かれたあと、オーナーへ振り込まれます。
普通は、売上金を他社へ送金することはありません。
通常とは真逆の仕組みです。
通常は、請求書に基づいて、オーナーが支払います。
リスク3:損切りしにくい
フランチャイズの契約期間は、10年~15年程度になっています。
契約途中でお店をやめる場合、数百万円の違約金が発生します。
一般的に、商売が軌道に乗らないとき、損切りが必要です。
損切りするときに、小さな金額に抑えることは重要なポイントです。
コンビニの場合、損切り額が大きくなる場合があります。
夜逃げするしかない
うまくいかない時に、惰性運転のまま続けなければならない可能性があります。
やめてしまうと、数百万円の違約金がかかります。
違約金を考えると、やめるにやめられません。
違約金から逃れるために、自己破産する方法もあります。
自己破産で、違約金が免責される可能性があります。
でも、保証人には請求がいきます。
これって、すごく怖いと思います。
何も対策ができないまま、低収入で店頭に立ち続けるしかない可能性があります。
食べていけるなら良いですが、赤字であればどうにもなりません。
勝ち組オーナーも存在する
コンビニ経営は、厳しい面があると言えます。
しかし、「勝ち組」オーナーも存在します。
自ら店頭に立たないオーナーは、12.7%存在します。
(公取委 コンビニ実態調査より 2020年)
公取委の調査から、コンビニ経営で成功しているオーナーは、10人に1人程度と推測できます。
決してチャンスがないわけではありません。
本部だけが儲かるシステムとも言い切れません。
便利の裏側
コンビニの利便性の裏側には、本部や個人オーナーの苦労があります。
コンビニ本部が、長年かけて作ったシステムがあります。
コンビニオーナーの日々の苦労があります。
そういった努力の上に、便利なコンビニが存在することは認識しておきたいと思います。
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